訪問介護士という選択

訪問介護士という選択

療養の場が病院から在宅へと移行する動きが近年活発に見られるようになってきました。
患者の入院期間が短いほど、病院は診療報酬を多く得られるというシステムになっています。
療養の場が在宅へと移行し、在宅で介護を必要とする方が増加してきました。
また、一人暮らしの高齢者や老老介護という世帯の増加から、訪問介護士の需要は年々高まってきています。

 

かつて、ホームヘルパーと呼ばれていた資格は、介護職員初任者研修と呼ばれるようになりました。
名称は変わりましたが、学ぶ内容に大きな変化はありません。
定年後や、育児が落ち着いていた40代後半から60代の方に、介護士を目指したいと考える方が増えてきています。
その理由は、親の介護という実体験や、超高齢社会に伴う要介護高齢者の増加から、介護職のニーズが高まっているという背景を考慮しているとも言えます。

 

施設で働く介護士と比較し、訪問介護士にはいくつかのメリット・デメリットがあります。
まず、メリットは在宅で働くという点であることから、利用者の一人一人とじっくり関わる機会が得られるという点でしょう。
中には、週に1、2回の訪問を心待ちにしている高齢者もたくさんいます。
介護を必要とする高齢者とってオンリーワンの存在になれるという点で、とてもやりがいのある仕事だと言えます、
次に、自由にシフトが決められるという点です。
1回の訪問時間は20分から数時間と幅広く設定することができます。
要するに、利用者が介護士を必要としている時間帯だけ勤務できる人が確保できればいいのです。
家事をしながら無理のない程度に働きたいと考えている方にはぴったりの仕事かもしれません。
デメリットは、一人で訪問するようになると、知識や技術といった専門スキルが必要になるという点です。
勤務開始の頃は経験のある訪問介護士と一緒に訪問しますが、慣れてくると一人で現場を回るようになります。
経験によって培った自信と、確実に仕事を行える知識や技術がないと、安全面でリスクを伴うかもしれません。

 

メリット・デメリットはありますが、訪問介護はやりがいがあり、今後ますますニーズが高まってくる仕事です。
施設で働いている方も、転職を考えている方も、訪問介護士という選択肢を頭の片隅に置いておくことをお勧めします。